最終表面処理に携わる全ての方々へ… 長年の夢が遂に実現
今年の3月。最新のテクノロジーを駆使し遂に完成となりました錯体銀を主剤とする新たなシルバーコートがリリースとなり、そのテスト用のフルキットが私の元に届けられました。錯体銀からなるシルバーの主剤は透明。120℃で最低10分間の強制乾燥を行わなければ銀色に発色はしません。つまり施工結果は、熱を掛けてみなければ分からない。。。『何とも厄介な塗料である』。それが私の最初の正直な感想でした。しかし、この新しいシルバーコートは、従来の製品と全く異なる仕様であり、梱包を紐解いてみればそこには施工サンプル品が同封されておりました。その色味、質感、そして映り込みを見る限りその一枚のテストピースの表面はクロームメッキそのものでありました。これをスプレーガンを使った通常の塗装方法で実現する事が出来るとすれば、これは工業界全般にとりまして只事ではありません。。。
今から20年程前より環境問題の理由により、クロームメッキの実施工は世界中でNGとされる様になって以来、その代替としての蒸着メッキや、一時は大脚光を浴びた専用の2頭ガンを用いた銀鏡反応を誘発するシステムなど、様々なアプローチによりクロームメッキ調の表現がなされ続いておりますが、蒸着メッキに関しては大規模な設備が必要となる事と施工依頼に関するコストやロット数の理由により、一般的には主に大手製造メーカーのみで実践可能な最終表面処理方法であると言えますし、また2頭ガンによる銀鏡塗装の不安定さや脆弱さは工業界においては共通の認識にて良く認知がなされています。現実的にクロームメッキ調の最終表面に関する表現が大きく後退をして行く中ではありますが、しかし、それこそ太古の昔よりクロームメッキの輝きは人々の心を魅了し続けており、あの独特な輝きと色味、そして金属調の質感を忘れ去る事は困難である事もまた事実でありまして… そして又、ここに来て、世界中の自動車メーカーやオートバイメーカーからリリースされる新型のモデルにはクローム処理がなされたパーツが多用される傾向にあり、どうも世の中メッキぽい… と言った風潮を感じざるを得ません。
遂に、手塗りによるクロームメッキの表現が可能となりました
その様なタイミングで新たにリリースされたBL CHROME SILVER COAT GT。以下に実施工後の写真と動画をご案内させて頂きますが、この数ヶ月間に渡り、私、徹底的にこの特殊塗料を触り続けて来ました。取り組み当初は右も左も分からぬ状況でありましたが、次第に成功への道筋が見えて来まして、その後その施工方法に関してほぼ全てを把握する事となりました。そしてその結果なのですが、数ヶ月前に塗料メーカーより送られてきた施工サンプル品を越える施工結果を得る事が出来る様になり、まさに最終表面処理に携わられる方々の長年の夢でありました『手塗りによるクロームメッキの表現を遂に実現』する事が出来ました。世の中に既にリリースされているメッキ調塗料 / 金属調塗料の施工の難しさや、最終的にトップコートを施工した際、金属調のトーンが大きく後退する事象などを既にご存じの方またご経験のある方なら、この事の衝撃性と工業製造界に及ぼす影響の大きさを直ぐにご想像頂ける事かと思う次第です。
▶︎ BL CHROME SILVER COAT GT 詳細
以下にBL CHROME SILVER COAT GT施工後の写真や動画をご紹介させて頂きます。まさにメッキの代替えとそう呼ぶに相応しい金属調の表現は、私がスプレーガンを使用して塗装をした塗膜です。