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ハーレーにとってオイルは命! オイルの大切な役割6項目!!

time 2014.07.21 view 141 Views
Posted by in Column, Harley Custom

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大排気量 & 空冷エンジンのハーレー故… オイル管理は大切です!!

 
大排気量、そして空冷式のエンジン。それが意味する所とは…  それは、あなたがハーレーオーナーとなったとたんに、あなたはあなたの愛車の為に、確実にオイルの管理をしなければならなくなった、と云う事でありまして、正規ハーレーディーラーさんなら、オイル交換の時期が近づいたら、何らかのカタチで都度都度の連絡をしてくれるかも知れませんが、カスタムショップ全般に、その様に親切できめ細やかな対応を望んではいけません。。。日頃からのオイルの管理やメンテナンスの主導は、オーナー様ご本人にあります事をどうかご承知頂きたく思う次第であります。

ここで余談ですが、私の友人で1990年式のEVO FAT BOY (FAT BOYのファーストモデル) を、それこそ、何も何処も一切いじらず、ド・ノーマルのまま10年以上乗った男がおりました。その走行距離が120,000km程に達した時、いよいよバルブ周辺が痛みだし、開業間もない私の店でそのエンジン等を修理させて貰った事があります。その男は、カスタムには一切金を掛けませんでしたが、エンジンオイルの交換だけは実に小まめにやる男でありまして、走行距離に関わらず、確実に10年以上の間、3ケ月に一度のペースでオイルの交換をしておりました。その様な男のエンジンでありましたので、私も彼もそのエンジン内部の状態が一体どの様になっているか常日頃より興味津々でありまして、いざその時が訪れた時、開けた彼のエンジン内部各部が、余りにも綺麗であった事に二人して大いに驚いた記憶があります。エンジンの寿命を大きく左右するオイルの管理が如何に大切であるかを、その時身を持って経験致した次第です。
 

[ そもそも、オイルって何に??? ]

 
オイルの入っていないエンジン…  オイルの入っていないトランスミッション… のまま、走行してしまった。。。これ、想像するだけで恐ろしくなりますね…
オイルの入っていないエンジンで走行、、、勿論、試した事などはありませんが、エンジン点火後、ものの30秒でピストンが焼き付いてジ・エンド。。。もしオイルの入っていないトランスミッションで走行したら、500mは走れるのかな… 確実にトランスミッションのケースが割れてしまうでしょう。弊社でもカスタムや整備、修理の為、日常的に各種オイルを取り扱っておりますが、その車両にオイルが入っているか否かの状況は、誰が見ても一目瞭然に把握出来る様な体制をとっております。これ、車両取り扱いに関する基本中の基本ではありますが、何らかの理由やタイミングで、その時、オイルを入れる事が叶わなかった場合は、幅広のマスキングテープに太字&赤字で、大きく『NO OIL!!』と明記する事を弊社のルールとしていると共に、試乗前整備の時に用いる作業点検簿に第一項目は、各オイルのチェック項目を配している程でありまして、とにもかくにもハーレーに取って、各種オイルは非常に重要な存在な訳なのであります。

機械もの全般に取ってのオイルの役割 = 金属各部における潤滑作用。と云うご理解で全く問題有りませんが、オイルはそれ以外の役目も担っておりますので、本日の所はオイルの事を良くご理解して頂きたく思い、代表的なオイルの役割を以下にご紹介させて頂きます。

1) オイルの役割その1 : 潤滑

これはオイルの基本的な役割でありますが、エンジンの中やミッションの中は、ピストンやらギヤやら、カムやらシムやら、ベアリング等々、様々な構成パーツが組み込まれておりまして、常時、それら金属同士がとにかくもの凄いスピードで擦れ合っている訳であります。これらがお互い直接擦れ合いますと、いきなり金属間同士で摩擦が生じ、続いてその摩擦により金属をも溶かす熱が発生をし、結果、所謂焼き付きの状況を引き起こします。そこでオイルは、直接触れ合う金属同士の間(僅かな隙間)に入りまして、双方の摩擦を減らし滑らかな動きを確保している訳であります。

2) オイルの役割その2 : 冷却

金属同士の摩擦により、エンジンでは常に摩擦による熱が発生を致しております。エンジン内部を循環するオイルは、この熱を冷ます役割も担っておりまして、我らが空冷式のハーレーでは、エンジンに刻まれたフィンが走行中、空気に触れる事によりその熱を放出する訳でありますが、実はエンジンオイルもエンジンの冷却に一役買っている訳であります。※オイルは熱が加わりますと酸化が進み、その成分が分解されてしまい、その結果元々のオイルの粘度が低下します。イメージとしては、ドロっとしたオイルが酸化してしまった結果、水の様にサラサラの状態になってしまう。と、こんな感じでしょうか。ハーレーは大排気量のくせに、メーカーが頑として譲らない空冷式を永遠に採用?? ですので、ハーレーの場合は、特に小まめなエンジンオイル交換が必要になる訳です。
エンジンオイルの交換は、3ケ月に一度!! 弊社ではこのペースを推奨致しております。
トランスミッション、プライマリーオイルは半年に一度の交換をお願いします!!

3) オイルの役割その3 : 防錆

オイルには、エンジンやトランスミッション内部の錆を抑制させる役目もありまして、金属の表面に油膜を造り、各部のパーツが直接空気や水分と触れる事を抑制します。またオイル全般、アルカリ性の性質となっておりまして、この作用によっても錆の発生を防いでいる分けであります。※何らかの原因で、エンジン内部に発生してしまった極々小さな錆がエンジン内部に落ち、その錆が粉状になり、エンジン内各部のパーツにダメージを与える。。。これ、大いに有り得る事であります。とにかく、どの様に微細な傷であってもエンジンに取って大敵となります事をご理解下さい。

4) オイルの役割その4 : 洗浄

エンジン内部ではガソリンが燃えている訳でありますが、その燃焼の際「スラッジ」や「カーボン」と呼ばれるガソリンの燃えかすが発生致します。コイツ等は、ネバネバ系の悪党でありまして、平気でエンジン内部の至る所に溜まります。そこでエンジンオイル君の登場! エンジンオイルは、エンジン内部を循環し、そのネバネバ悪党のスラッジを自らの身体に取り込み、洗い流してくれる仕事も担ってくれているのであります。※その悪党スラッジを最後に掻き集めてくれるのが、オイルフィルターでありまして、これも毎回事の交換をオススメしたいな~ 毎回の交換が厳しくとも、それでも2回に1度のオイルフィルター交換は必ずお願い致します。

5) オイルの役割その5 : 密閉

例えば、ピストンとシリンダーの関係ですが… ピストンの直径が10cm。シリンダーの内径が10cmであったとすると、双方の径が同一ですので、ピストンはシリンダーの中でガチガチに固定された状態となり、上下運動を行う事が出来ません。ですので、ピストンはシリンダーの直径よりやや小さめなサイズで設計されている訳でありますが、ピストンとシリンダーの隙間は小さいにこした事はないので、ピストン側にピストンリングと云うパーツを取り付けまして、更にその隙間を埋めております。何故、その隙間を埋めなかればならないかと云いますと、シリンダーに送られて来た燃焼ガスがその隙間より逃げてしまい、圧縮漏れの状態を引き起こすからでありまして、結果、エンジン内部で十分な爆発を起す事が出来なくなり、エンジン本来のパワーが損なわれてしまいます。そこでピストンリングなるパーツにより、なるべくその隙間を埋めようとしている訳でありますが、それでもそこには極々僅かな隙間が存在をしておりますので、このエンジンパーツの組み合わせでは埋めきる事の出来ない隙間を、最終的にエンジンオイルがカバーをしてくれ、エンジン内部の密閉性を保ってくれる訳であります。

6) オイルの役割その6 : 緩衝

エンジンやトランスミッションの中では、様々な金属のパーツが擦れ合い、更にギア系のパーツ群に至りますと、非常に速いスピードで、思い切り双方のギアの歯と歯、その面と面がぶつかり合っています。オイルは、様々なパーツの表面を覆い油膜を形成し、そのパーツ同士がぶつかる時の衝撃を和らげるクッション的な役割も担ってくれる訳でありますが、ただ、その油膜自体の厚みは極々薄いものでありますので、大きな衝撃が掛かったとしてもその油膜が途切れる事の無いオイルでなければなりません。これは、オイル自体のクオリティーに関ってくる問題でありますので、特にハーレーの場合、使用するオイル各種のクオリティーには少々拘って頂きたく思います。
 

[ ハーレーのオイル… 最低でも純正オイルの御使用をオススメ致します!! ]

 
何度も申し上げますが、ハーレーの場合、大排気量にしてピストンはたったの二つ、しかも空冷。。。エンジンやミッションを構成するパーツ各部のクリアランス等々は、国内メーカーのスーパーバイク系から比べると、少々大らかな設計となっておりますので、結果使用するオイルはとても重要となります。

そんなオイル各種ですが、現在様々な銘柄やグレード、更にはオイルの構成内容や成分と致しましても、ハーレー伝統の鉱物系オイル~最近では化学合成のオイルまでリリースされております。また、価格も、売り手側の諸々の理由により、実に様々な状況です。では一体何を基準に、オイルを選べば良いかと云うことでありますが、その指標となるのはやはり純正オイルでありましょう。

日々、ハーレーに携わっておりますと、オイル各種の重要性を再認識したり、時には痛感させられたりする事も多々あります。購入金額等の事もありますでしょうが、弊社としては、やはり常用のオイルとしては、最低でもハーレー純正、もしくはハーレー純正オイルと同等レベルを有するオイルを、お使い頂く事を強くオススメさせて頂きます。
弊社では開業以来、アメリカ : スペクトロ社製のオイルを使用致しております。
価格はハーレー純正オイルとほぼ同じでしょうか。。。

最近では、ハーレー純正の化学合成オイルとして、万能型のSYN3 : シンスリーオイルがリリースされておりますよね。
耐久性にすぐれ、高温時の油膜が切れにくい。
洗浄作用が優れている。
プライマリー、トランスミッション用としても使用可能、等々。
お値段は少々張りますが、それでもかなり実に魅力的なオイルです。現行のTWIN CAMやSPORTSTER, そしてV-ROD等には最適なオイルではないでしょうか…
 

[ エンジンオイルの交換は3ヶ月に一度をオススメ致します!! ]

 

ハーレーのオイル交換くらいは、自分でやらなきゃ…

 
この考え方全く持って賛成なのですが、それに該当する車両はshovel迄でありましょうか… “メカに強く、交換の為抜かれたオイルの状況をつぶさに観察し、現状の車両の状況の判断が出来る方” でありましたら、ご自分で各種オイル交換をされてもよろしいかと思いますが、EVO以降、TWIN CAMや殊V-ROD等に至っては、オイル交換の為の仕事量も多く、観察箇所や、例えばドレーンボルトへの対応等々、キッチリとした作業を済ませなくてはならない事が多くなっておりますので、オイル交換は、やはりHDディーラーさんや専門のSHOPにて実施される事をオススメさせて頂きます。

とにもかくにも、前段のEVO FAT BOYの件… エンジン内部の各パーツの状況やヘタリ具合等、とても120,000kmも走ったエンジンには見えませんでした。。。こまめなオイル交換、これハーレーに取ってはとても大切な事でありますので、エンジンオイルの場合は3ヶ月に一度の交換、トランスミッション及びプライマリーオイルの交換は半年に一度の交換を、是非実施されて下さいませ!!

 

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