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中途半端で、終わりたくは無い


私事で恐縮ですが、今年で、なんと… 54歳になりました。そうです、54歳なんです。子供の頃に憧れていた多くのロックミュージシャン達は皆、25歳ですとか、27歳ですとか、とにかく若くして伝説の人となり、その強烈にして鮮烈な太くて短い生き様に『必ずこの俺も続いてみせる!』と、そう誓っていたはずなのでありますが、、、

老い恥をさらして生き延びている感を、益々強く感じる様になった昨年の晩秋。何気にYouTubeを眺めておりますと、よく知る所のBluesの動画がアップされておりました。何気に再生ボタンを押してみますと、そこにはギブソンのアコースティック・ギターを抱え椅子に座り、すっかりとカメラ目線の白人の男性。身振り手振りを加えながら2分程、何やらをずっと語っております。そして、いよいよその左手をギターのネックに添えますと、それこそ、私のよく知るBluesのナンバーのイントロを、実に実にゆっくりと、全く曲にはならないスピードでもって弾き出すではありませんか。。。『一体、何の動画だ??』。そして、事はここから始まりました。

その曲とは、1936年に録音された『Kind Hearted Woman Blues』と言う曲でありまして、伝説のブルースマンですとか、悪魔に魂を売った男などと称されるRobert Johnson – ロバート・ジョンソンの作詞作曲による、まさにデルタブルースの名曲中の名曲。そして、何よりも、私が高校生の頃より慣れ親しんだ曲なのであります。そしてその時、私が見ていた動画とは、なんと “この曲では、ギターはこの様にして弾かれています” 的な解説&教則動画であったのであります!! すぐ様、家に1本だけ残っていたグレコ製のレスポールを引っ張り出し、動画を止めては見、止めては見を繰り返しつつ、左手のポジションニングを動画の通りに進め、そして爪弾いてみますと、あの官能的なイントロを私のレスポールは奏でるのでありました!!

憧れのMr.ロバート・ジョンソン…

ロバート・ジョンソンと言うブルースマンは、超絶のギターテクニックを持つ男でありまして、当時より彼のレコードを聴くにつれ、とてもたったの1人でプレーをしてるギターには聴こえません。あたかも2〜3人で弾いている様に聴こえるのあります。ですので、彼のギタープレイは、この私に取ってはハードルが高過ぎ、もはやコピーをしようなんて思った事もありませんでした。しかしそれが動画では、手取り足取り、懇切丁寧に解説をしてくれている訳でありまして、これなら、この俺でも、いつか、あのロバート・ジョンソンの名曲を弾ける様になるかも知れない、などと思ってしまったのであります。

世界には、本当に親切な方が大勢いらっしゃいまして、その手の超マニアックなブルース動画がYouTubeには山の様にアップされている事を知りました。現状、仕事の方はと言いますと、それがお陰様で多忙を極めておりまして、ギターを抱える時間など、例え1分たりともこの私はありません。が、その時、直感的に感じてしまった事がありまして、その感覚が明確に私に中で『覚悟』と言う意識に変わる迄には、決して多くの時間は必要ありませんでした。

その感覚とは…『もう直ぐ、必ず、俺は死ぬ』。

先にも述べさせて頂いた通り、50歳も半ば近くになりますと、残された時間の事をかなり現実的な感覚で捉える事ができる様になりまして… その証拠に、今年だって、もう既に8月。オチオチしてたら、あっと言う間に大晦日でありますよ。それ位、1年の経過が早いものですから、残りの人生なんて、本当に直ぐに終わってしまう事でありましょう。

YouTubeを見ながら、自らの手で、ロバート・ジョンソンのイントロが弾けた時の感動は、言葉では言い表し様がありません。高校生の頃の様に、ハードロックもブルースも、更にはボサノバや、余裕が出来たらついでにクラシックもやってみっか!! 的な野望は、流石にこの歳となりますと消え失せておりまして。。。ただ、せめて死ぬまでにはブルース位は、弾ける様になっていたい。などと、シンプルにそんな事を思ってしまった次第であります。ですので、その日以来、ご近所様には迷惑になっているやも知れませんが、毎朝AM6:30頃より1時間ほど、ギターを抱える生活を初めております。

『中途半端では終わりたく無い。。。』などと、そんな大仰な事を言い出しますと、それはそれでプレッシャーにもなってしまいますので、あくまでも、お楽しみの一つと致しましてのギターであると、そう心得ている次第でもありまして… また、両手の指を使う訳でありますから、それはそれで、将来的なボケの防止にも効果があるのでは無いかと思いつつ。。。何に致しましてもYouTube… 良い時代となったモノです。感謝。

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